心リハ研修施設認定

当院が心臓リハビリテーション(心リハ)研修施設に認定されましたのでご報告いたします。

「リハビリ」という言葉からは、脳梗塞後の麻痺や整形外科疾患などで失われた機能を回復する訓練を連想するのが一般的かもしれませんが、循環器科医は知っての通り、心リハは現代において重要な非薬物療法のひとつ、つまり心臓の治療です。同じ低心機能でも歩行可能な人とそうでない人、骨格筋の多い人少ない人では予後が異なることを実臨床ではしばしば経験します。マイオカインが介した心臓-骨格筋連関という概念も知られ、骨格筋のみならず肺機能も含めて「心疾患のヒト」に対する全人的治療である一方で、心リハの認知度や普及は十分とは言えない現状がありました。そこで、当院が施設認定を受け、秋田県における心リハの啓蒙、指導士の増員そして普及につなげるねらいがあります。

 

 

以下、責任者の鈴木智人先生より本件についてご解説頂きました。

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心リハは、運動療法だけでなく、食事療法や禁煙指導などの患者教育や、心理的サポートを含めた包括的リハビリテーションとして、心疾患の二次予防(再発予防)やQOL向上にとても重要です。特に超高齢化が進んでいる秋田県では非常に重要ですが、県内の導入施設が少ないのが現状です。

原因の一つとして心リハ指導士資格を持つ医療従事者が少ないことがあります。心リハ指導士は医師、看護師、理学療法士、作業療法士などの10職種が取得可能ですが、資格受験には、心リハの経験が必要になります。そのため、心リハを行っていない施設での資格取得が困難(特に施設間異動の少ないコメディカル)でした。心リハ研修制度は、心リハを導入していない施設のスタッフを、研修病院で研修してもらい、心リハ指導士受験資格を得るものです。

今まで東北には秋田県以外の3施設しか取得しておらず、現実的に資格取得が難しかったのですが、この度、秋田大学が施設認定を得ました。これにより秋田県の心リハ指導士が増え、心リハが県内に広く導入されることで、心疾患の再発予防、健康寿命の増進に寄与できると思われます。

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